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新年度、どんなクラスづくりをしようかな

兵庫県たつの市立新宮小学校 主幹教諭 石堂裕

いよいよ4月、新しい学年の始まりです。

特に学級担任となった先生は、「さあ今年は、子どもたちと、どんな学級をつくろうかな」と思いをめぐらせているときですね。

私は、学級担任に決定したとき、

① この1年間で、子どもたちに身についてほしい力は何かな

 具現化するためには、どの学習を軸にしようかな

の二つのことに気を付けながら、めざす子どもの姿とめざす学級の姿を考えています。

例えば、昨年度、2年生担任が決定したときには、「考える力」を伸ばしたいと考えました。そのためには、「気付きが大切だな」、「楽しむことを忘れてほしくないな」というように関連付けていくことで、めざす子どもの姿のイメージを固めていきました。

そうなると、このイメージを具現化するための軸となる学習です。真っ先に思い浮かべたのは「生活科」でした。身の回りにある対象と関わりながら、「自立への基礎」を養う生活科こそが、ふさわしいと考えたのです。

そこで、生活科の学習スタイルをイメージしながら、「ひとりで、みんなと、楽しみながら、気付きを大切にしつつ、考える力を伸ばすことができる学級」の姿を導き出しました。

図1

教師の願いを子どもたちと共有することは大切なことです。

押し付けることなく浸透させるにはどうすればよいかと考え、毎日発行する学級通信のタイトル(図1)に用いることにしました。

また、写真1のように、教室の見えるところに掲示しておくことも、子どもたちの意識を高めることにつながったと思います。

写真1

写真1で注目していただきたいのが、「考える力」を伸ばすために「7つの学ぶわざ」を示したところです。

7つのわざ(考えるための技法)を提示するにあたり、2年生の子どもたちの前年度の担任からの聞き取りも参考にしました。子どもたちの資質・能力を育成するためには、「学びの連続性」が重要だからです。

「7つの学ぶわざ」を日々の学習で意識させることが、子どもたちの「考える力」を伸ばすことに直結すると判断して、図1で示した掲示物の下に掲示しました。

「7つの学ぶわざ」に示した「見つける、くらべる、たとえる」は生活科には欠かすことができないことからも、生活科を軸にしたことがわかりますね。

新年度の学級経営案を考える方法は、一つではありません。

めざす子どもの姿やめざす学級づくりに、生活科の考え方を取り入れてみることもおすすめです。

つづく

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主幹教諭 石堂裕


なぜ、小学校の先生に?

身近な家族が教員だったため、小学生のころから「先生になる」と決めていました。小学校に決めたのは、教育実習での1年生との出会いです。授業の難しさを実感して、「もっと究めたい」と思ったことが、今も私自身を支えています。

my belief

「ピンチがチャンス!」

授業では、「ま(待つ)つ(つなげる)の(のせる)き(気付かせる)みと(認める)」