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生活科の学習から自分自身の生活へ〜自己の成長に気付く学習活動を通して〜

東京都大田区立久原小学校 主任教諭 小笠原さちえ 

子どもたちは、自分のしてきたことや、考えたことに自信がもてると、そこから次の学習活動へとつなげたり、自分自身の生活に生かしたりして広げていくことができます。

前回は、友だちとの関わりを通して、自分自身の生活を楽しく豊かなものにしていく子どもたちについて紹介しました。今回は、2年生の栽培単元を例に、「自分の成長に気付き、自分自身の生活を豊かにする手立て」について紹介します。

手だて① 振り返りカードの活用

1時間の学習の終わりに活動を振り返り、カードに記入します。今日したこと、発見をしたこと、次にやりたいこと、などをかきます。

野菜の苗が育ってきた頃、野菜ニュースを選んで伝え合う活動を行いました。野菜ニュース2回目の振り返りでは、「前よりもうまくできたなあと思った。またやろうと思った。」と記入している児童がいました。野菜ニュース1回目よりも、うまく考えることができた自分に気付き、次の活動の意欲へとつながったことがわかります。

写真1
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写真2
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手だて② 名人認定証の作成

単元全体を通して活動した後の振り返りとして、名人認定証を作成します。自分で考えて、自分を認定するところがポイントです。より成長したと思うことや、野菜を育てて来た中で、大発見だと思うことなどを書きます。

「あなたは、ミニトマトを育てる時の脇芽摘みのしかたがわかりました。これによってあなたを野菜育て名人に認定します。」「あなたは、エダマメの水やりのとき、ちょうどいい水の量がわかりました。これによって、あなたを野菜育て名人に認定します。」など、この認定証によって、単元全体の中でより自分の成長に気付くことができました。

写真3
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以上のように、振り返りを工夫することで、子どもたちは自分の成長に気付くことができ、自信やさらなる意欲をもって、次の活動や自分自身の生活に生かしていこうします。

また、自分自身の生活の中に、生かすことができた内容を紹介する「いかすコーナー」というコーナーを常設しており、そこには「家でもミニトマトを育てています。」「家では、ナスを育てています。」と書かれていました。ほかにも、「野菜博士にいろいろ教えてもらったので、家では自分がお父さんに野菜の育て方を教えています。」という子もいました。

写真4
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これからも、生活科の学習を通して自分の成長に気付き、生活を楽しく豊かなものにしていくことができる子どもたちを育てていきたいと思います。

つづく

プロフィール

さとえ学園小学校 やまなかせんせい プロフィール画像

東京都大田区立久原小学校

主任教諭 小笠原さちえ 


なぜ、小学校の先生に?

小学校の卒業文集に「幼稚園の先生になりたい」と書いたと思います。幼稚園教諭として10年間勤務した後、「幅広く子どもたちと関わることができる人になりたい!」と思い、現在の道に至りました。

my belief

「笑う門には福来る」

「笑顔がいっぱいの教室にも福がたくさん訪れる!」と信じています。