· 

遊び単元における気付きを共有する場の工夫 ①

東京都大田区立久原小学校 

主任教諭 小笠原さちえ

前回は、2年生の内容(6)自然や物を使った遊び単元の「身近にあるものと十分にふれあって遊ぶ活動」での教師の具体的な支援についてお伝えしました。

今回は、子どもたちの学びを深めるための気付きを共有する場の工夫についてお伝えします。

第1次では、子どもたちの身近にある物を使って遊ぶ活動(素材に触れて遊ぶ活動)を行いました。

ここでは、ペットボトル、紙コップ、空き箱、紙皿、カップなどの空き容器、ポリ袋などの身近な材料を使って遊びました。

(活動の内容についての詳細は、10月16日11月13日の記事をご覧ください)

この単元では、「一つの素材から様々な遊びができることに気付いてほしい」「遊びを通して、多様な発見をしてほしい」という教師の思いから、ウェビング(イメージマップ)の手法を用いることにしました。

◆第1時

まずはじめは、第1時の活動前に一つの素材を例にどんなことができそうかをみんなで考えて発表し、板書します。しかし、ここは子どもたちが活動のイメージをもつことが目的のため、時間は長く取り過ぎず、テンポよくいきます

子どもたちは、『立てる』『回す』『積む』などできそうなこと、やってみたいことを考えました。

そして、子どもたちとその時間のイメージを共有したところで、素材に触れて遊ぶ活動に入ります。はじめに考えたことを実際にやってみる子もいます。

活動の中で、『打つ』『振る』『中に物を入れる』『滑らせる』『投げる』なども加わり、「こんなこともできた!」と様々な遊びを展開していきました。

授業の後半には、おさんぽタイムを設定し、友だちが考えた遊びを見て回りました。

1時間の学習の終わりには、学級全体で気付きを共有します。ここでの共有は、次の活動でやりたいことを考えることが目的なので、すべての気付きを共有するのではなく、視点を広げることができるような気付きを選んで共有しました。

そして、授業のはじめのウェビング(イメージマップ)に書き足します。一つの素材で、できることが広がり、考えた遊びをする中で発見を共有しました。(第1時では、ウェビングの手法を子どもたちがわかるようにするため板書で行いました。)

できた遊びと気付いたことを交流
できた遊びと気付いたことを交流

◆第2時

第2時のはじめの段階に、みんなで一つの素材について、それぞれ1枚のウェビングマップをつくっていくことに決めました。(第2時から始めて、その後も続けました。)

真ん中に素材の名前を書いて、「できること」や「できた遊び」を書いてつないでいきます。そして、そこからさらに、遊んでいて「発見したこと」を書いてつなぎます。

みんなでウェビング(イメージマップ)を作成
みんなでウェビング(イメージマップ)を作成
書き足してつないでいく
書き足してつないでいく

みんなで一つの素材につき1枚のウェビング(イメージマップ)を作成することで、一つの素材から「できること」と遊んでいて「発見したこと」が広がっていくことが視覚的にもわかります。

また、自分が書き込む時にも、他の子が気付いたことを見ることで気付きを共有することができます。

子どもたちは、自分の考えを表現(今回はウェビングで)することで活動を振り返り、もう一度考えて認識を深めたり、友だちの考えにふれることで視点が広がって、次の活動でやりたいことを見つけることにつながったりしました。

気付きを共有する場に
気付きを共有する場に

今回は、素材とふれあう遊びの中での気付きを共有する場について紹介しました。

次回は、素材とふれあって気付いたことを生かして、遊びや遊びに使うものをつくり出す段階での気付きの共有場面の工夫についてお伝えしたいと思います。

つづく

プロフィール

さとえ学園小学校 やまなかせんせい プロフィール画像

東京都大田区立久原小学校

主任教諭 小笠原さちえ 


なぜ、小学校の先生に?

小学校の卒業文集に「幼稚園の先生になりたい」と書いたと思います。幼稚園教諭として10年間勤務した後、「幅広く子どもたちと関わることができる人になりたい!」と思い、現在の道に至りました。

my belief

「笑う門には福来る」

「笑顔がいっぱいの教室にも福がたくさん訪れる!」と信じています。