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しぜんとともだちになる!!〜におう技編〜

さとえ学園小学校 教諭 山中昭岳

“きく”“みる”と諸感覚を鍛える取り組みを紹介してきました。今回は“におう”技を習得するための取り組みです。(前回の終わりに子どもたち自慢の「みる技」が打ち砕かれるとありましたが、そのことは諸感覚すべてを習得する取り組みの紹介後に明かします)

写真1
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【クイズ】写真1をご覧ください。何だかわかりますか。

これは、チューリップが枯れた後です。においをかいだ子どもは、何と表現したでしょうか。※今回の記事の終盤で答えを発表します。

ちなみにこの取り組みは「においショップをひらこう」という活動です。

子どもたちは、お店屋さんごっこが大好きです。そのことを利用して、自分が知っている日常にあるにおいと、みつけた自然のにおいをつなげて、言語化させる学習展開です。

例えば、バラの花を並べて,そのにおいを「石鹸」(なかなか高級な石鹸を使っているんだなぁと思いました……(^_^;))と表現したり、みかんの葉はそのまま「みかん」として売られたりという形で、子どもたちが見つけたものを商品としてお店に並べます。


さて、クイズのヒントは「ディズニーランド」です。子どもたちが何と表現したかわかりましたか?引き続き考えてみてくださいね。

 

この「においショップ」は、お店屋さんとお客さんにわかれて活動します。お客さんはにおいをかいで、何の商品として売られているのかを当てながら買い物をするという展開です。

この活動も、他の諸感覚を鍛える活動と同じように、体験したことを言語化する行為から思考をうながすことへと発展させることができるため、深い学びへの第1歩となります。すなわち、主体的な学習展開となるのです。

写真2
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ここでクイズの答えです。枯れたチューリップは「キャラメルポップコーン」として売られていました。既習体験を思い出し、これまでにかいだにおいにたとえて表現した、と価値付けることができます。

この活動のねらいは、嗅覚だけを用いた観察活動により、自然の新たな部分を発見し、においへの関心を高めるとともに、自然に対して、「においを嗅いでみる」という見方ができるようにすることです。

子どもたちは、においを言葉で表現するときに、生活の中でのにおいを当てはめます。これにより、その後、自身の生活の中でのにおいが学習活動の時にかいだ自然物のにおいを思い出させ、そのことが振り返りとなっていきます。

また、様々な種類の自然物を自分の言葉で表現したときに、その種の名前などを教えていくと理解度が高まっていきます。ただ感じて終わりではなく、自然を知識として理解していくことにもつながっていくのです。

つづく

プロフィール

さとえ学園小学校 やまなかせんせい プロフィール画像

さとえ学園小学校

教諭 山中昭岳


なぜ、小学校の先生に?

給食、遠足、修学旅行。楽しく、変化いっぱいの毎日が過ごせ、誰よりも一番近くで子どもたちの成長する姿をみることができるから。

my belief

教師自身が一番の学び手であれ!!