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植物の成長に関心をもってはたらきかける、栽培単元の工夫

東京都大田区立久原小学校 主任教諭 小笠原さちえ 

今回は、1年生のアサガオ栽培単元で、植物の変化や成長に、関心をもって働きかけることができるようにするための、 具体的な工夫について紹介したいと思います。

子どもたちが、興味・関心をもってはたらきかけるようにする上で1番大切なことは、「自分たちで決めて、育てていく」ことだと思います。まずは、植物を「育てたい!」という気持ちになるようにすることから始まります。

例えば、学校探検の時などに、上級生の植木鉢に興味をもつことができるようにしたり、絵本の読み聞かせをする時に、植物の栽培に関する本を読んだりします。

また、うきうきひろば(生活科コーナー。常設展示できるようにしておく)に、植物の図鑑や絵本を展示したり、いろいろな植物の種を置いたりすることも効果的です。この時点では、アサガオに限定しません。

単元の初めの頃のうきうきひろば(アサガオの成長に合わせて変えていきます)
単元の初めの頃のうきうきひろば(アサガオの成長に合わせて変えていきます)

そして、徐々に「私たちも何か育てたい!」という声があがり、「何を育てようか?」という話し合いになります。

「植木鉢で、自分たちでも育てられそうな花がいい」という声から、みんなの知っている、植物についての意見を出し合って、春から、自分たちの植木鉢で、アサガオを育てることに決まりました。それから、「あさがおとなかよしタイム」(アサガオの変化や成長に関心をもって、はたらきかける時間)が始まりました。※「あさがおとなかよしタイム」という名前も、子どもたちから出てきた“時間の名前”です。

手だて① ふせんやカードの活用

5月22日の野菜の栽培単元記事でも、(→小笠原先生第4回の記事参照)付箋の活用について書きましたが、植物の変化や成長のタイミングは、一律ではありません。子どもたちが「発見したよ!」「かきたい!」という思いに至るタイミングも異なってきます。

【付箋にかかれた実際の内容】

・もうちょっとできそう。

・つるがのびていた。

・むらさきになるとおもったのにピンクだった。

・きんようびぜんぜんさかなかったけど,げつようびなんと3つもあさがおがさいてた。

※咲いた花の色を絵で表している子もいます。

栽培初期は、みんなで「かきたい!」と、一斉にかくことから始まりますが、徐々にかきたいタイミングがずれてきます。思いや願いを重視しつつ、発見があった時は、それぞれに「かく活動」を取り入れます。付箋であれば、負担が少ないため、朝の水やりの時間にも、かくことができます。「これは大発見だ」ということは、発見カード(観察カード)にかきます。子どもたちは、「発見したよ!付箋をください!」と、得意になって付箋をもらいに来て、かき終わると、「あさがおにゅうす」コーナーに貼っていました。さらに、大発見をした子は、自信満々に「はっけんかあど」(観察カード)にかいていました。

 


3種類の「はっけんかあど」(観察カード)
3種類の「はっけんかあど」(観察カード)

ここで気を付けたいのは、子どもたちの多様性を生かすこと、思いや願いに寄り添うことです。はたらきかける方法は、「かく活動」のみに限定はしません。

花が咲いた頃のうきうきひろば
花が咲いた頃のうきうきひろば

手だて②「アサガオとなかよしグッズ」の活用

アサガオを育てている最中、アサガオに「早く大きくなってね」と、話しかけている子がいました。そこで、「〇〇くん、アサガオに話しかけていたね。アサガオは何て言っているのかな?聞いてみたいね」「どうすれば聞こえるかな?」と紙コップを耳にあてて見せると、「糸電話みたいにする!」と子どもたちが答えました。「なるほど。そうすればいいんだね。」そこから、「もしもしでんわ」ができました。「お水がたくさん欲しいよう」と言っていたアサガオもいたようです。

また、水やりの時に、支柱に油性ペンで線を書いている子がいました。私が「そうすると、どれくらい大きくなったのか、わかるんだね」と言うと、他の子どもたちも、印を付け始めました。そして、「こういうのもあるよ」と、ビニールテープを用意すると「貼ってこれに書く」となりました。「のびたよシール」です。

「こんなものもあるよ」と金魚すくいのポイの枠を見せると、「はっけんくんから借りて来たの?」と、子どもたちが驚いていました。(気付いたことを交流する時のキャラクターです。)もちろん、度が入っていない「みるみるめがね」ですが、子どもたちは、しっかりとよく見ようとしていました。今回は、「よく見ようとする子どもたちになってほしい」という思いから、虫メガネではなくポイの枠を使いました。


花が咲き始めると、「そまーるかみ」(障子紙)や「いろがきれいかっぷ」(色水用透明空き容器)などを、うきうき広場(生活科コーナー)に置いておきます。そこから子どもたちは、今日、自分がやりたいことを選んで活動します。

アサガオの成長とともに、ぐんぐん成長している子どもたち、「アサガオとなかよしになれた!」と、嬉しそうにしていました。

つづく

プロフィール

さとえ学園小学校 やまなかせんせい プロフィール画像

東京都大田区立久原小学校

主任教諭 小笠原さちえ 


なぜ、小学校の先生に?

小学校の卒業文集に「幼稚園の先生になりたい」と書いたと思います。幼稚園教諭として10年間勤務した後、「幅広く子どもたちと関わることができる人になりたい!」と思い、現在の道に至りました。

my belief

「笑う門には福来る」

「笑顔がいっぱいの教室にも福がたくさん訪れる!」と信じています。