兵庫県たつの市立新宮小学校 主幹教諭 石堂裕
新宮小学校の東門の近くにある飼育小屋に、以前はウサギやニワトリがいたようです。
しかし子どもたちが入学した時には、すでに下の写真のように何も飼育していない状態でした。
9月、「あの小屋って、昔は何かいたのかな。」といったAさんの疑問をみんなで考えてみることにしました。
「先生が新宮小学校に来た6年前には、もう何もいなかったからよくわからないんだ。」と話すと、「お父さんが新宮小学校(出身)だから、聞いてみる。」とBさんたち。子どもたちの問題解決への思いが高まり始めました。
次の日、Bさんが「ずっと前はウサギがいたみたい。」と自信満々の顔で話すと、2年生のみんなも「ウサギを飼いたい。ウサギ復活作戦だ。」と大盛り上がりです。
石堂「ウサギを飼うためには、どんな準備が必要かな。みんなで付箋に書き出してみようよ。」
書き出した付箋の内容を整理すると、「場所」、「飼育の仕方」、「餌」の三つに分けることができました。
「(飼育小屋を)なんとかしないとウサギは飼育できないよ。」
飼育小屋を調査に行ったBさんたちのつぶやきです。そこで、まず飼育小屋復活作戦を行いました。雑草を取り除き、土を入れ、ペンキ塗りやネットの修理を行い、2週間後には、ウサギを飼育していたころの小屋になりました。
飼育小屋が復活すると、「飼育員さんにインタビューして、ウサギの正しい飼育の仕方を知らないといけない」との思いも高まり、動物園でインタビューにもチャレンジです。
インタビューの結果を、今の自分たちと比べながら整理したところ、下の写真のような板書になりました。この板書から、2年生の子どもたちの心に最も響いたのは「声かけの大切さ」だということがわかります。
飼育員さんの動物への愛情が表れた「あの子が、この子が」といった言葉に、「自分たちもそうなりたい」と重ね合わせたのでしょう。
2年生の子どもたちの様子に、校長先生も飼育の許可を出してくださり、10月の1か月間だけ、たつの市立動物園から2羽のウサギがやってくることになりました。
大喜びの子どもたち。
ここから始まる子どもたちの思いや願いの詰まった飼育物語は、気付きの高まりの連続です。
この続きは、次回紹介します。
つづく
プロフィール
兵庫県たつの市立新宮小学校
主幹教諭 石堂裕
なぜ、小学校の先生に?
my belief
「ピンチがチャンス!」
授業では、「ま(待つ)つ(つなげる)の(のせる)き(気付かせる)みと(認める)」