協働的な学びを生み出すために

兵庫県たつの市立新宮小学校

主幹教諭 石堂裕

10月7日付で、文部科学省から「令和の日本型学校教育」の構築に関する中間まとめが報告されました。そこには、「個別最適な学び」と「協働的な学び」とを往還させることが明記されています。今回は、withコロナでの「協働的な学び」を生み出す学習について、事例をもとにお話ししたいと思います。

今回取り上げる事例は、3年生の総合的な学習の時間で行っている「あつまれ!しぜんのわんパーク~たつの市にひとつしかない子どもたちプロデュースの自然公園計画~」(以下、わんパーク)です。

今年は、臨時休業期間からクラウド上で協働作業ができるコラボノート(ジェイアール四国コミュニケーションウェア)を用いてきました。それは対面授業が再開されてからも継続しています。 

※株式会社ジェイアール四国コミュニケーションウェア コラボノート

https://www.collabonote.com/

図1:クラウド上で協働作業ができるコラボノート(個人情報保護の観点から判読不可の画像処理をしています)
図1:クラウド上で協働作業ができるコラボノート(個人情報保護の観点から判読不可の画像処理をしています)

さて、夏休み期間中も図1のように、こども園のみなさんや1、2年生を招待することを目的として、「いこいの広場」のどこにどんな遊び場をつくるとよいかについて意見交流してきました。コラボノートを用いると実際には会えなくてもやり取りができるのです。このようなオンデマンド学習によって、みんなの思いや願いが途切れることはありませんでした

学校が再開後の8月下旬から、希望グループに分かれて、設計図づくりに取り組みました。コラボノートによる活動の見通しがもてていることに加えて、写真1に示すように頭の中のイメージと具体物による体験とを連動させたことで、みんなの設計図は、遊具の長さや注意点などが示された具体的なものとなりました。

写真1:頭の中のイメージと具体物による体験を連動させる
写真1:頭の中のイメージと具体物による体験を連動させる

設計図が完成すると、写真2のようにグループごとの作業です。目標は、「みんなの力で完成させること」に決めました。その結果、釘打ちがうまくいかなくても、グループのみんなで話し合い、やり直しをしていました。このような主体的・対話的な学習の積み重ねによって協働的な学びが生み出されるのです。もちろん、作業のあった日の放課後は、図2に示すように、コラボノートでの意見交流です。みんなの記述を解釈すると、体験的な活動から少し時間を空けたことで、メタ認知的なふり返りの機会になったように思いました。

写真2:グループ作業。みんなで話し合い、うまくできるまでやり直す子どもたち
写真2:グループ作業。みんなで話し合い、うまくできるまでやり直す子どもたち
図2:作業のあった放課後は、コラボノートでの意見交流(個人情報保護の観点から判読不可の画像処理をしています)
図2:作業のあった放課後は、コラボノートでの意見交流(個人情報保護の観点から判読不可の画像処理をしています)

計画から約2か月が経った10月下旬、遊び場のオープンです。写真3にあるように、こども園のみなさんや下級生たちが予想以上に多く来てくれました。みんなは、自分たちの手づくりの遊び場を上手に案内したり一緒に遊んだりと楽しい時間を過ごすことができました。図3のコラボノートの記述にも満足感が伝わってきました。

写真3:自分たちの手づくりの遊び場で、こども園の園児や下級生と一緒に過ごす
写真3:自分たちの手づくりの遊び場で、こども園の園児や下級生と一緒に過ごす
図3:園児や下級生との交流(個人情報保護の観点から判読不可の画像処理をしています)
図3:園児や下級生との交流(個人情報保護の観点から判読不可の画像処理をしています)
写真4:振り返りの板書。次の目標を見つける子どもたち
写真4:振り返りの板書。次の目標を見つける子どもたち

写真4は、次の時間に行ったふり返りの板書です。3年生のみんなは、よかったことを認識するとともに、「上級生には何ができるかな」といった新たな目標が見つかったようです。みんなの様子から、これからも協働的な学びがつながることに喜びを感じていることが伝わってきました。

つづく

プロフィール

さとえ学園小学校 やまなかせんせい プロフィール画像

兵庫県たつの市立新宮小学校

主幹教諭 石堂裕


なぜ、小学校の先生に?

身近な家族が教員だったため、小学生のころから「先生になる」と決めていました。小学校に決めたのは、教育実習での1年生との出会いです。授業の難しさを実感して、「もっと究めたい」と思ったことが、今も私自身を支えています。

my belief

「ピンチがチャンス!」

授業では、「ま(待つ)つ(つなげる)の(のせる)き(気付かせる)みと(認める)」