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学期末の「振り返り」を「笑いのあるチームづくり」へ ~ポジティブ・イット~

さとえ学園小学校

教諭 山中昭岳

皆さんの学校では、教職員どうしの学期末の振り返りをどのようにしているでしょうか。

振り返りは、反省点を出し合い、課題を明確にして、次学期に取り組むことを決める話し合いを行ったり、また成果と課題を文書として残しておいたりと、学校が進化していく上でとても大切なことです。

ですが、ともすると同じことの繰り返しをしていないでしょうか。もちろん振り返りを繰り返し行うのは大切ですし、記録として残しておくことは重要です。一方で、その内容が形骸化していないでしょうか。ただこなしているだけの振り返りになっていないでしょうか。

そこで、今回は校務分掌等の振り返りではなく、当校で行っている個を振り返る研修を紹介します。しかも笑いたっぷりです。その研修では「ポジティブ・イット」という手法を活用します。

では、実際の手順について説明します。

事前に宿題として「ふりかえりシート」を先生たちに配っておき、完成してから研修に参加するように伝えます。

研修前に各自、「ふりかえりシート」に記入する(クリックすると拡大表示します)
研修前に各自、「ふりかえりシート」に記入する(クリックすると拡大表示します)

目的は……

  • 自分の1・2学期の振り返りを行い、他者に発表することで自己を客観的に捉える
  • 他者からの自分の行いを評価してもらうことで、自己理解を深める
  • 自分のいいところ、他人のいいところを互いにみつけ、その時間を楽しむ!!

キャッチフレーズは……

自分が知らない自分の発見! 教師の個の力を高める研修です。

流れは……

  1. 学年団にわかれて、輪になって座る
  2. 振り返りを発表する【3分】
  3. まわりの人は、発表を聞きながらよいと思ったことをふせんに1枚につき1項目ずつ記入していく
  4. 発表が終わったらまわりの人は、記入したことを発表者に伝えながら、ふせんを発表者の体に貼っていく。貼り終わったら笑顔とともに写真を撮る【3分】
  5. 1〜4を一人ずつ繰り返す

終わった後、体に貼ったふせんを宝物のように持ち帰る先生たちの姿が印象的でした。

実はこれ、子どもたちとの振り返りにも活用できますよ

この研修は、あくまで「個の振り返り」であり、全体で課題を出し合う研修の前段で行っています。全体で課題を出し合うというのは、ともすると互いを批判することになりかねません。また、相手の顔色を伺いながらの反省では意味がありません。

事前に、気軽に言える関係性をつくり、課題の出しやすい雰囲気をつくるというのが、このポジティブ・イットの目的でもあったのです。この後、全体で課題を出し合う振り返りを行いました。

つづく

プロフィール

さとえ学園小学校 やまなかせんせい プロフィール画像

さとえ学園小学校

教諭 山中昭岳


なぜ、小学校の先生に?

給食、遠足、修学旅行。楽しく、変化いっぱいの毎日が過ごせ、誰よりも一番近くで子どもたちの成長する姿をみることができるから。

my belief

教師自身が一番の学び手であれ!!