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個別最適な学びを生み出すための学習づくりは、まずできることから始めよう

兵庫県たつの市立新宮小学校

主幹教諭 石堂裕

新年度が始まり、早1か月が過ぎようとしています。多くの先生は、子どもたちとの1年間を見通し、「子どもたちが生き生きと学習するためには、どんな手立てを打とうかな」と思い描いている頃だと思います。授業づくりの鍵は、「学習者主体」です。今回は、学習者である子どもたちの「個別最適な学び」を生み出すことを目指す上で、まずできることを紹介したいと思います。

私は、新しいクラスの担任になった時、例えばNHK for Schoolのような動画サイトを用いる時間とそうでない時間を設け、子どもたちの「あっ、おもしろそう」、「やってみたいな」といった社会情動的スキルがどのようにはたらくかをチェックするようにしています。図1に示すように、習得、活用、探究のどの学習にも、「向かう」段階が大切だからです。

図1:学びの推進モデル(石堂2020)
図1:学びの推進モデル(石堂2020)

ちなみに、NHK for Schoolの視聴と「個別最適な学び」とがどのように結び付くかを整理してみたところ、下記の四つに分類できるのではないかと判断しました。

  1. 動画視聴により、自分の課題を選択し、自分なりの学習に活かすこと  
  2. 学習を通じて、改めて自分の課題に気付き、納得するまで再視聴すること
  3. 動画視聴によって学習の見通しをもち、自分なりの課題を発見すること 
  4. 自分なりの課題が決まっていて、それを追究する時に活用すること   

いくつか、事例を挙げて紹介したいと思います。例えば、「はりきり体育ノ介」のような体育のスキルアップにつながる動画は、子どもたちにとって理解しやすいです。図2に示す「開脚とび編」では、「開脚とび」と「かかえこみとび」が紹介されています。前時に自分の課題に気付いている子どもたちは、目的意識をもち視聴することになります。自分の課題を知り、練習する技を自主的に選択することが個別最適な学びにつながるポイントですね。さらに、図2のように場の設定を工夫することで、三密回避をした上で練習ができます。

 図2:個別最適な学びにおける視聴パターン①
図2:個別最適な学びにおける視聴パターン①

また図3は、同じ体育でも、土日の自主学習と関連させた例です。金曜日の授業中には残念ながら逆上がりの技を習得できなかった子が、土日の休日を利用して自主学習レポートの題材に逆上がりを選び、NHK for School から得た情報を整理しました(年間を通して休日には自主学習レポートの宿題があります)。その過程で、納得するまで視聴した結果、改めて自分自身の課題に気付くことができました。そして、次の週の体育で、番組が示すコツを練習した結果、逆上がりができるようになったのです。

図3:個別最適な学びにおける視聴パターン②
図3:個別最適な学びにおける視聴パターン②

このように、NHK for Schoolのような動画サイトを効果的に授業に取り入れることで、個別最適な学びを生み出す学習主体の授業づくりを進めることにつながりますね。

つづく

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主幹教諭 石堂裕


なぜ、小学校の先生に?

身近な家族が教員だったため、小学生のころから「先生になる」と決めていました。小学校に決めたのは、教育実習での1年生との出会いです。授業の難しさを実感して、「もっと究めたい」と思ったことが、今も私自身を支えています。

my belief

「ピンチがチャンス!」

授業では、「ま(待つ)つ(つなげる)の(のせる)き(気付かせる)みと(認める)」