日々の授業づくりで心がけていることは?

兵庫県たつの市立新宮小学校

主幹教諭 石堂裕

「新学習指導要領が目指す授業展開のポイントを二つ挙げましょう」と問われるなら、読者の皆さまは何を挙げますか。私は、真っ先に「学習者主体」と「問題解決的な授業展開」を挙げると思います。この二つは、私の毎日の授業づくりで意識していることでもあります。

私は、この数年、授業が終わると常に持ち歩くデジタルカメラで、自分自身の板書を記録することを心がけています。そして、夕方、子どもたちが帰った教室で、撮影した板書記録を見ながら、「今日の授業は、あの場面で話し過ぎたなあ。もしあの場面に対話の時間を取り入れたらどうなっていたかなあ」、「次の時間を活用の単元を仕組むなら、今日の展開は、もとになる知識の習得にはなったなあ」などと、もう一人の自分とリフレクションをしています。

その際、当てはめるのは、図1にある推進モデルです。このモデルに当てはめることで、その時間に行う授業のタイプ(習得、活用、探究)がはっきりとし、併せて本時の問いも具体的になることを実感しています。問いがわかりやすいと、子どもたちの「向かう」気持ちも高まりますね。

図1:学びの推進モデル(石堂2020)
図1:学びの推進モデル(石堂2020)

また、子どもたちのノート記述も、私がもう一人の私とリフレクションをする重要なツールになっています。例えば、図2は、A児(3年生)の理科ノートの記述です。この日(2020年6月11日)の授業は、友だちの疑問から問いをつくっていることがわかります。問いができれば、自分なりの答えを予想させる時間を設けます。A児は、「すきなものがちがうからへんなところにうんだら、へんなチョウがうまれてくるから(?)たとえば~」と記述していますが、(?)をつけていることを考えると、少し自信がなかったのでしょうか。それでも、「例えば~」と事例を挙げながら、絵も用いて根拠を示そうとしているところに学習意欲を感じます。

図2:3年生児童の理科のノート記述
図2:3年生児童の理科のノート記述

この日の授業は、個別の予想をもとに、図鑑やネット動画から問題解決につながる手がかりを探りました。A児はその過程でチョウが行う「ドラミング」(産卵の前に植物の葉の表面を前脚で叩き、幼虫が食べられる植物であるか「味見」する行動)について気付いたようです。絵も付け加えながら記述していることを考えると、影響を受けた手がかりであることが伺えます。でも、約半数の子どもたちのノートには、その記述がありませんでした。そうなると、「じゃあ、次の時間は、全員が『ドラミング』に関心をもつためにはどんな手立てをうてばよいかな」といった支援方法を考えるようにしています。

新学習指導要領では、教員には、「指導と評価の一体化」が求められます。日々の板書を記録し、それを振り返ることやノート記述を確認することは、これを進める方法の一つですね。これからも、「学習者主体」と「問題解決的な授業展開」を意識した授業づくりを心がけたいと思います。

つづく

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主幹教諭 石堂裕


なぜ、小学校の先生に?

身近な家族が教員だったため、小学生のころから「先生になる」と決めていました。小学校に決めたのは、教育実習での1年生との出会いです。授業の難しさを実感して、「もっと究めたい」と思ったことが、今も私自身を支えています。

my belief

「ピンチがチャンス!」

授業では、「ま(待つ)つ(つなげる)の(のせる)き(気付かせる)みと(認める)」