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「パブリックビューイング」「Google Meet」で挑戦! コロナ禍の授業研究会

東京都八王子市立由井第三小学校

主任教諭 八木美香

東京では、市区町村ごとに各教科領域等の研究会を有しており、授業づくりや学校文化づくりに取り組んでいます。コロナ対応に追われている昨今は、授業研究はもちろんのこと情報交換をする会議を開催するときにも、安心安全のために十分に配慮して行わなくてはなりません。

私が所属している八王子市は東京の中では広い地域で、以前から集まるための開催時刻の設定が難しいことがありました。ICTが充実してきた現在は、オンライン上で集まることが容易になりました。八王子市はGoogle Meet(ビデオ会議アプリケーション)を使用しており、9月の八王子市立小学校の研究会「小教研」では、ICTを使った授業研究の2回目が行われました。

今回は、授業研究会1回目の反省点と、2回目での改善点や今後の見通しについて書いてみようと思います。

1回目:1学期に行われたICTを活用した授業研究会

授業を撮影するカメラマン役3名:

・1号機……教室全体を見渡したり、教師の動きを捉えたりして撮影する。

・2号機、3号機……本時のねらいや授業提案に即して、児童を特定して撮影し、児童の思考の流れなどを見取ることができるように撮影する(これがかなり難しい)。

参観者:

体育館での参観。授業を見学するために来校した先生方が距離を確保できるよう体育館に集い、大型スクリーンに映し出すパブリックビューイングでの参観としました。

★このときの反省★

カメラマン役はなかなか上手に撮影できないというもどかしさに加え、カメラマン同士の距離が近いとハウリングを起こしたり、互いのスピーカーからの音を拾い合ったりしてしまいました。参観者からは「『見る』も『聞く』も難であった」との声が……。参観者たちはカメラマンたちが苦戦しているところを考慮してくださってのつぶやきだということを考えると、相当見づらく、聞きづらかったのであろうと反省。

カメラを3台用意し、授業の全体像や特定の児童の様子を映し出す予定であったが……
カメラを3台用意し、授業の全体像や特定の児童の様子を映し出す予定であったが……

パブリックビューイングの際に、注目したい画面を大きくする「ピン留め」をしなかったので、体育館の大画面には各カメラマンが撮影している三つの画面に加え、外から見ようとして入ってきている人を表す窓もあり、画面上は窓だらけに。「見づらい」どころか「見えない!」状態になっていました。

体育館で映し出された大画面に不要な窓が映し出されてしまうというハプニングも。
体育館で映し出された大画面に不要な窓が映し出されてしまうというハプニングも。

★このときの反省★

パブリックビューイングするならば、注目画面を「ピン留め」して操作する担当を付ける必要があったと反省。しかし、一方でこの方法だと操作担当の主観で「この画面を表示」と操作するため、参観者が本当に見たい画面なのかという心配が残ります。

協議会:

このような状態で、パブリックビューイングの後に体育館で集まった人たちで協議会を開催しましたが、「意見を出し合う以前に授業が見えませんでした」となりました。確かに。

★このときの反省★

見えない授業に対する協議会。あり得ません。ならば授業者が、指導案に基づいて自身の実践している授業について、記録写真や記録動画を見せながら、「授業を語る会」のようにしたほうがよかったかも……。

準備不足、想定不足、と大反省。せっかく遠いところから5時間目の授業に間に合うように飛んでいらした参加者たちに申し訳ない気持ちになりました。

さらに、この授業を指導講評してくださった講師の先生もとてもやりづらかったことと思います。講師の先生は授業を間近で参観されていらっしゃいましたが、参加者の意見や質問、議論などが充実していない協議会──参観者がどのような視点で考えていたのか、何をニーズにしているのかが明確でない状態──で「講演してください!」という荒行を強いてしまいました。

2回目:9月に行われたオンライン授業研究会

さて、これら無数の反省を生かして実施されたのが2回目のオンライン授業研究会でした。

授業を撮影するカメラマン役3名:

役割は前回と同じですが、互いのPCのマイクやスピーカーの状態に気を付けて撮影しました。基本的に全号機スピーカーはOFF、2号機、3号機は基本的にマイクもOFF。「(児童が)おお!つぶやいている!」「友だちと会話を始めた!」というときにON! しかし、このタイミングを合わせるのがなかなか難しい。

参観者:

各自、所属校からGoogle Meetでの参観としました。

協議会:

協議会もオンラインのみ。少人数のグループ討議をして、全体共有という形をとりました。このときに難関だったのが、Google Meetには、グループ討議用に参加しているユーザーを少人数ごとのグループに分ける機能(Zoomでいうブレイクアウトルーム)がないため、参観者各自が一度全体会から出て、グループ討議会場に入り、また、全体会に戻る作業が必要なことでした。

グループ討議に入る前には、参加者に向けてしっかりと操作方法を説明する必要があります。また、当日に参観者を振り分けるのが完全なるアナログ作業でした。

この役を引き受けていた私は、協議会が始まり、始めの挨拶や授業者の自評などをやっている間に集まってきている参加者(この日は30名弱)を紙に書き出し、4グループくらいが適当であると判断し(事前に5グループまでつくれるように準備はしておきました)、Zoomのブレイクアウトルームで「自動」でグループ分けするように、書き出した名前を上から4分割して人数分けします。アナログ作業、スピード勝負ですから、ここで何か配慮することなどできません!

司会者が「では、グループ討議に入ります」と言ったところで、グループ分け担当の私が「○○先生、○○先生……はピンク色で示したコードのMeetに入ってください。○○先生、○○先生……は、黄色で示したコードのMeetに……。分からなくなったり、心配になったりしたら、この全体会のMeetに戻ってきてください。私、ヤギがここで待っています!」とアナウンスしました。

協議会の実施・参加方法について記した資料を事前に配布。
協議会の実施・参加方法について記した資料を事前に配布。

このアナログ作業が滞りなくできたのは、参観者の先生たちが、学校の各自のPCからMeetに入ってきているので、画面上の名前が本名のフルネームであったからです。個人の勉強会等で各家庭や手持ちのスマホなどから入っていると、画面に表れる名前が機材の名前だったり、イニシャルだったりということがよく見受けられます。この状態だったら、アナログな振り分けは困難を極めたと思います。

オンラインで授業研究するやり方を究めていくことが、私の仕事ではありませんが、このような取り組みが、これからオンライン授業やオンライン見学などを仕切っていく際に生きる、見えないところで積み上げた経験となると信じています。

つづく

さとえ学園小学校 やまなかせんせい プロフィール画像

東京都八王子市立由井第三小学校

主任教諭 八木 美香


なぜ、小学校の先生に?

元々はピアノの勉強をしていました。子どもたちと歌ったり、踊ったりすることが大好き。体を動かすことが大好き。お出かけすることが大好き。工作することも大好き。子ども一人ひとりの「楽しい♪」の表情が何より大好き。

my belief

「楽しい♪」の中に学びあり。