さとえ学園小学校
教諭 山中昭岳
低学年での調べ学習、どうされていますか? 1人1台端末が導入され、1年生からインターネットの検索サイトで調べていますか? それとも本や図鑑でのみ調べていますか?
調べる方法は、上記のようにおそらく二つではないでしょうか。
- 本や辞書、図鑑
- YahooやGoogleのような検索サイト
それぞれにメリット・デメリットがあります。
本や辞書、図鑑は、子どもたちに安全な環境で専門家による確実な情報を提供することができます。ただし、情報量は少ないです。インターネットによる検索では、情報量はかなりのものになります。しかし、その情報は安全で確実なものかどうか判断するには難しいです。
さらに、第3の方法として、百科事典のオンライン・データベースがあります。
紙の百科事典は分厚くさらにたくさんの本からできており、低学年の子どもたちにとって調べたいことにたどりつくまでに時間がかかり、調べた内容の中でわからない言葉やさらに知りたい言葉が出てきた場合、また分厚くたくさんある本の中から見つけ出さなければならないという時間のかかる作業が出てきます。このことを解消してくれるのがオンライン・データベースです。
実際にこれら三つを活用して調べてみて、くらべることでそれぞれの特性に気づき、調べ学習の基礎基本を体験的に習得することができます。
たとえば、ある子は、調べ学習において、まずはざっとその全容を把握するために本からスタートします。そのあと、詳しく調べるためにインターネットの検索サイトで調べます。さらに、その情報が正しいかどうかをオンライン・データベースで確認しながら進めていくという感じです。
生活科にとって体験は重要です。
体験によって、子どもたちの中に“はてな?”がどんどん生まれます。ただ、その“はてな?”をうまく生かせない現状があります。せっかくよい“はてな?”を見つけたとしても、「調べてごらん」と声かけするだけでは、子どもたちはそこからどう発展させてよいのかわかりません。
そこで前述のように低学年での調べ学習を習得しておくことで、“はてな?”を「ただのわからないこと」から「学習課題」へと進化させることができ、中学年、高学年に向けての学び方を学ぶ機会へと発展していきます。
調べ学習は、ただ知識の獲得だけをするのでなく、学び方を学ぶ、さらには自分なりの学び方に気づき、行き着く先は自分の生き方を見直すことができる学びになる可能性を秘めているのです。
プロフィール
さとえ学園小学校
教諭 山中昭岳
なぜ、小学校の先生に?
給食、遠足、修学旅行。楽しく、変化いっぱいの毎日が過ごせ、誰よりも一番近くで子どもたちの成長する姿をみることができるから。
my belief
先生は子どもたちにとって空気のような存在