兵庫県たつの市立新宮小学校
主幹教諭 石堂裕
たつの市立動物園から期間限定でやってきた2羽のウサギ、ココミとミライ。
2年生の子どもたちにとって、1か月間のココミとミライの飼育体験は、とても貴重でした。
だって、どんどん気付きの質が高まっていくのですから。
例えば、写真1。これは、うんちをする場所の様子です。
「毎朝、小屋に行くと同じところにうんちがあると思う」
といったAさんのつぶやきをきっかけに、5日間調べてみると、確かに同じ場所にうんちがありました。
みんなは、「ココミとミライって、ちゃんとトイレの場所を決めているんだ。かしこいなあ」と理解できました。
さらに、うんちに興味を持ったBさんたちは、学校図書館にある図鑑で、新たに「盲腸ふん」についても調べ、みんなに報告しました。
「学びに向かう力」が高まろうとしている証です。
今度は育てていたサツマイモの葉を与えてみると、予想以上に食べたため、いつも与えていたチモシーに加えて置いてみた実験の様子です。(写真2)
ここからも気付きがありました。
写真3のように、新鮮でない部分は食べ残すのです。
「おなかがいっぱいだったから食べなかったのかもしれない」という子どもたちの予想もあったので、2日間ほど同様にしてみたところ、やはり食べ残して同じ結果でした。
その結果に、みんなは「食べ残したものはもう食べないから、入れる量も考えないといけないなあ」と理解できました。
さて、写真4は、1か月間の飼育体験の終わりに行った振り返りの板書です。
見通しづくりでの柱となっていた三つの視点(「声かけ」、「世話」、「知ること」)で振り返りを行いました。
「自分がココミとミライだったらと考えて、されて嫌なことはしないように気を付けた」といった内容の発言が多く、小動物に寄り添う心が芽生えていることがうかがえました。
また「知ること」では、サツマイモの葉っぱの実験が事例となりました。子どもたちにとって、その実験が印象深かったのでしょう。
子どもたちは「ウサギの飼育体験」で主体的に対象と関わることによって、個々の気付きを増やしていきました。また、その個々の気付きをみんなで共有するための「ためすこと」の機会は、さらに子どもたちの気付きの質を高めることになるのだと、指導者として実感できた1か月間でした。
つづく
プロフィール
兵庫県たつの市立新宮小学校
主幹教諭 石堂裕
なぜ、小学校の先生に?
my belief
「ピンチがチャンス!」
授業では、「ま(待つ)つ(つなげる)の(のせる)き(気付かせる)みと(認める)」