さとえ学園小学校 教諭 山中昭岳
3教科の合科で行った低学年におけるプログラミング教育実践。
「実践編3」となる本号では、前回の「実践編2 生活科」に続いて、国語科の実践の様子をお伝えします。
<各教科の役割>
音楽科:曲をつくる
国語科:歌詞をつくる
生活科:演出を考える
国語科の作詞では、6年生と自分たち(2年生)との関わりを振り返り、その一つひとつのできごとを、そのときの気持ちと一緒に思い出してみることにしました。
■国語科で歌詞をつくる
学期末に実施する書くことの単元「できごとや気持ちが伝わるように書こう」と、話すこと・聞くことの単元「進んで考えを出し合おう」の発展的な扱いとして行いました。
▽目標
生活科での目標とつなげて、6年生と一緒に過ごした思い出を振り返り、それを言葉にして感謝の気持ちを伝えるための歌詞をつくることを目標としました。
▽めあて
6年生を送る会で歌う曲の歌詞をつくろう
▽ルーブリック
(^^):6年生が2年生との出来事を思い出してくれる歌詞にする
スーパー(^^):6年生のお兄さん、お姉さんに感動してもらい、泣かすことができる
さて、これは2年生が実際につくった歌詞の2番です。
この歌詞を見て、何かに気付かないでしょうか。
・・・・・・。
そうです、1文節がだいたい同じ文字数(8文字程度)になっています。
このポイントが2年生の子どもたちが作詞する上で、工夫したところです。
子どもたちに
「さあ、歌詞をつくりましょう!」
と声かけするだけでは、この後自分たちで作曲する上でとても苦労します。
そこで活躍したのが電車シートです。
このワークシートは、電車の車両のイラストの中に八つの窓枠があり、そこに文字が入れられるようになっています。
1行分が2両ずつつながっており、それが六つあります。
すなわち、この電車の車両の窓枠に文字を入れていけば歌詞が完成するのです。
お世話になった6年生に対しての言葉はたくさんあります。
言い出すとキリがありません。
このワークシートによって制限することで歌詞となっていきます。
実は、この「制限」が本実践のキーワードとなります。
次回の作曲にも出てきますよ。
実際の歌詞づくりの流れですが、
2年生は3クラスあるので、まずはそれぞれのクラスで作詞する上でのテーマを決めました。
1組は「すごい」、2組は「えがお」、そして3組は「ありがとう」です。
このテーマをもとに、それぞれのクラスで6年生から連想する言葉を出し合いました。
実にたくさんの言葉が出てきました。
そして、電車シートに出てきた言葉を埋め込み、みんなで読んでみて意味がわかるか、思いが伝わるか、何度も何度も言葉を選びながら、つくっていきました。
この「試行錯誤」も本実践のキーワードです。
音楽科では、こうやってできた各クラスの歌詞にいよいよ曲がつきます。
作曲については次回,乞うご期待!!
つづく
プロフィール
さとえ学園小学校
教諭 山中昭岳
なぜ、小学校の先生に?
給食、遠足、修学旅行。楽しく、変化いっぱいの毎日が過ごせ、誰よりも一番近くで子どもたちの成長する姿をみることができるから。
my belief
教師自身が一番の学び手であれ!!