
兵庫県たつの市立新宮小学校
主幹教諭 石堂裕
冬見つけでの「和だこ」との出会いがきっかけで、「ぼくらも和だこをつくりたいな」と思った2年生の子どもたち。
まず、和だこづくりに挑戦する前に「なぜ、たこがあがるのかな」と聞いてみました。
一人ひとりがふせんに考えを書き出し、整理してみると、写真1のようになりました。

「風の力」「風の方向」「たこのバランス」そして「走ること」などが関係していると予想しています。
このように、既有の知識を可視化しておくことがこれからのたこづくりを進めるポイントです。
さて、写真2のように4人1組のチームをつくり、半紙と竹ひごでのたこづくりの開始です。

これまでに行った「動くおもちゃづくり」では、個人の試行錯誤を大切にしてきたので、今回は「みんなで試行錯誤すること」を目標の一つにしています。
それぞれのチームが、知恵を出し合いながらたこづくりを進めました。みんなの力だけでつくったたこが写真3です。

たこがあがるかどうかを試してみたい気持ちでいっぱいの子どもたち。さっそく運動場であげてみました。

結果は、どのチームの誰があげてもあがりませんでした。
「なぜ、あがらないのかな」
「1年生の図工でつくったぐにゃぐにゃだこはあがったのに」
「やっぱりビニルじゃないからかな」
とみんなは過去の体験も思い出しながら考え始めました。
「じゃあどうしたらいいと思う?」と問うと、「本で調べてみる!」との返答があったため、みんなで図書館に行き、和だこづくりを本で調べる活動が始まりました。
「くるくる回ったのは、バランスが悪いんだ。そんなときは足をつけるみたい」と1回目のたこあげをした様子と比べながら、対処方法を探るつぶやきがあちらこちらで聞こえてきました。
写真5、6は、それぞれのチームの作業の様子です。


机には本や新聞(足の材料)を置き、何よりみんなが夢中で作業しているのがよくわかります。
「何とかしてたこをあげたい!」という思いや願いの表れですね。
本で調べた効果もあり、2回目の挑戦では、写真7のように1回目よりはあがりました。

「前よりはあがったね」と、どのチームにも声をかけると、誰も納得していません。
「もっともっと高くあげたいから、もう一回挑戦する」との返答が多くを占めました。
もう教室に戻らず、外での作業です(写真8、9)。


でも結局、みんなが納得のいくようなあがり方はしませんでした。
そこで教室に戻り、2枚のふせん(赤:課題、青:よかったところ)で振り返りを行いました。

実はこの振り返りの継続がポイントで、それによって納得のいくあげ方ができるようになるのです。
この続きは次回、紹介します!
つづく
プロフィール

兵庫県たつの市立新宮小学校
主幹教諭 石堂裕
なぜ、小学校の先生に?
身近な家族が教員だったため、小学生のころから「先生になる」と決めていました。小学校に決めたのは、教育実習での1年生との出会いです。授業の難しさを実感して、「もっと究めたい」と思ったことが、今も私自身を支えています。
my belief
「ピンチがチャンス!」
授業では、「ま(待つ)つ(つなげる)の(のせる)き(気付かせる)みと(認める)」