東京都大田区立久原小学校
主任教諭 小笠原さちえ
前回までは、2年生の『内容(6)自然や物を使った遊び』単元において、「身近にある物と十分にふれあって遊ぶ活動」の中で学びを深めるための気付きを共有する場面の工夫についてお伝えしました。
今回は、身近にあるものとふれあって遊ぶ中で発見したことを生かして、遊びや遊びに使うものをつくり出す活動における「自分の成長に気付くための工夫」と「生活を楽しく豊かにしていくための工夫」についてお伝えします。
一つ前の記事でも紹介しましたが、個人での振り返りとして、毎時間振り返りカードを使用しています。
単元のはじめの頃は、その日にした遊びのことや、次にやりたい遊びのことについての記述が多く見られます。
単元が進むにつれて、
「今日は、〇〇さんと一緒に遊んで、たくさん発見することができました。前よりも発見するのが上手になりました。」
といった、自分の成長に気付くような記述も見られるようになりました。
また、
「家の中にある物でこんなに楽しく遊べるんだと思いました。」
という単元の目標に近付くような気付きをはじめ、友だちとの活動を通して、気付きをもとに考えて関連付けたり、活動したことをもう一度考えて書くことで認識を深めたりすることができました。
振り返りカードなど、今まで使用したカード等は、1人1冊持っている自分用のポケットファイルに入れていきます。
1人1冊のファイルに入れていくことで、自分の今までの活動を振り返り、気付きの変容や多くの発見をすることができたといった、自分自身の成長に気付くことができました。
(ちなみに、教室内に置いてある掲示用フォルダーには、みんなに共有したいときにだけ入れます。)
その他、普段の生活で目に入る場所に、前回紹介したウェビングやふせんなどが掲示してあることも、「自分たちはこんなに発見することができたんだ」と気付くことへとつながりました。
さて、以前『植物の栽培』単元の終末でも紹介した「名人認定証」。本単元の終末でも用いました。
これまでにも自身への名人認定証を作成していたため、単元全体の振り返りで、子どもたちから「遊び名人認定証をつくりたい」という声が出てきたのです。
このように、自分の成長について振り返り、「これからも家で遊びたい」「休み時間にもまた遊びたい」と、自分自身の生活へ生かそうとする姿が見られました。
また、単元の途中からは「いかすコーナー」をつくりました。
自分が家でつくったものを飾ったり、「家でこんな遊びをしたよ」ということや「休み時間にも遊んだよ」ということをふせんに書いて貼ったりします。
そうすることで「自分もやってみよう」「私もお兄ちゃんとつくって遊んだよ」と、それを見た子たちもどうすれば自身の生活に生かせるのか気付くことができました。
今回は、遊び単元における「自分の成長に気付き、生活を楽しく豊かにしていくための工夫」についてお伝えしました。
次回は、次年度へ向けて、スタートカリキュラムの準備についてお伝えしたいと思います。
つづく
プロフィール
東京都大田区立久原小学校
主任教諭 小笠原さちえ
なぜ、小学校の先生に?
小学校の卒業文集に「幼稚園の先生になりたい」と書いたと思います。幼稚園教諭として10年間勤務した後、「幅広く子どもたちと関わることができる人になりたい!」と思い、現在の道に至りました。
my belief
「笑う門には福来る」
「笑顔がいっぱいの教室にも福がたくさん訪れる!」と信じています。