さとえ学園小学校
教諭 山中昭岳
本ブログにて、「しぜんとともだちになろう」シリーズで諸感覚を使った学びを紹介してきました。この諸感覚を使った学びは、ある時期だけでなく、四季を通して実践するのがおすすめです。そうすることで、身体全体で四季の変化を感じることができ、体験したことが印象に残り、学びへと深化していきます。
※「しぜんとともだちになろう」シリーズの記事は、文末のリンク集からご覧ください。
本号では、冬のこの時期におすすめの「しぜんとともだちになろう」を紹介します。
さて、これをご存じでしょうか。
この写真を撮りに、校内にあるビオトープに行ったときのことです。撮影していると、高学年の子どもたちが寄ってきて口々に、「あ、ロゼットだ!」「みんなでこれやったよねぇ」と話し始めました。まさに、体験したことは知識としても定着することを証明してくれています。
低学年の生活科で冬の自然の様子を探検すると、必ず子どもたちはこのロゼットを発見します。
冬のタンポポなどを見ながら浮かぶ「なぜ、葉を広げているんだろう?」という子どもの“はてな?”を拾い上げ、「どうしてだと思う?」と、みんなへたずね返します。すると子どもたちからはいろいろとアイディアが出てきます。でも、答えはなかなかわかりません。
そこで、教師が「やってみる?」と声を掛けると、子どもたちは「え?!」「え?!」と、いったい何をするのかわからず戸惑う様子が見られます。しかしそこはずっと諸感覚を使った体験活動をやってきた子どもたちです。すぐに「体を使って真似してみるんだ!」とピンときます。
これは、しぜんとともだちになる技でいうと「さわる技」です。しかも、手や頬だけではなく、身体全体でさわるのです。
子どもたちは大の字になって寝転がり、見つけたロゼットと同じように思いっきり手足を広げたり、逆に縮こまってみたりしながら、といろいろと試していきます。このときのポイントは、一つの技を使うときは、他の技を使わないことです。さわる技を使っているときには、「みる」「きく」技は使わない。すると、シーンとした状態になります。
そこで初めて子どもたちに「これってロゼットっていうんだよ」と伝えます。すると…
「地面に寝転がって体をおもいきり伸ばすと気持ちがいいね」
「こうすると、太陽をたくさん浴びられて、あたたかくなるよ。だから葉を広げているんじゃないかな」
「ほら、こうやって小さく縮むのと、大きく広がるのではあたたかさがちがうよ」
「きもちいい〜、あ、太陽の光もあたたかいけど、下からもあったかさがくるよ」
こんなやりとりをしながら、太陽の光をたっぷり浴びたロゼットたちが笑顔になります。そのまま手足を広げているといつしか寝てしまう子も……。この時期ならではの諸感覚を使った体験、皆さんもやってみてください!
参考:山中先生の「しぜんとともだちになろう」シリーズ
しぜんとともだちになる!! 〜“みる”技の落とし穴・概要編〜
しぜんとともだちになる!! ~“みる”技の落とし穴 ICT活用・前編~
つづく
プロフィール
さとえ学園小学校
教諭 山中昭岳
なぜ、小学校の先生に?
給食、遠足、修学旅行。楽しく、変化いっぱいの毎日が過ごせ、誰よりも一番近くで子どもたちの成長する姿をみることができるから。
my belief
教師自身が一番の学び手であれ!!